知ることで、選び方が変わる ……
ほとんどのダイバーは、ダイブライトを選ぶ時、明るさ、防水性能、バッテリー寿命を比較します。もちろん、それらは重要です。
でも、もう一つ知っておくべきことがあります。
そのライトは、誰が、どこで、どのように作っているのか?
この質問への答えが、実は製品の本質的な価値を決めています。そして、多くのダイバーがこの事実を知りません。
ダイブライト市場の、見えない構造 ……
今日、市場に出ているダイブライトの多くは、こうして作られています。
ブランドがデザインを決める → 仕様書を作る → 製造を契約工場に発注する → 完成した製品を輸入する → 流通を通じて店頭へ
この仕組みは効率的に見えます。でも、何かが失われています。
製品への統一された責任。
デザイナーと製造現場の間に距離がある。問題が起きた時、改善のサイクルは遅くなる。
直接的なコスト管理。
各段階で別々の会社が関わる。それぞれが利益を求める。製品の本質的価値とは別のところで、価格が決まっていく。
作る人の情熱。
契約工場の作業者にとって、それは「仕様書通りに組み立てる仕事」。このライトが海の中でどう使われるか、誰の冒険を支えるのか、知る機会はない。
これは批判ではありません。現代の製造業の標準的なモデルです。
ただ、別の方法も、存在します。
もう一つの作り方:OrcaTorchの選択 ……
2013年、タイでダイビングをしていた一人の男性が、重要な瞬間にライトが故障する光景を目撃しました。それは高価なブランド品でした。
彼の名前は、Carson Weng(カーソン・ウェン)。10年以上、高品質懐中電灯の製造に携わってきたエンジニアでした。
彼は考えました。「もっと良い方法があるはずだ」

2014年、彼と仲間のダイバーたちは、OrcaTorchを創設しました。そして、一つの決断をしました。
全てを、自分たちで作る。
設計、部品選定、製造、検査、改善。全ての工程を一つの場所で、一つのチームで。外注しない。分散させない。最初から最後まで、責任を持つ。
工場を訪れて、わかったこと ……

筆者が中国・深センのOrcaTorch工場を訪れた時、最も印象的だったのは、そこで働く人々の表情でした。
製造ラインを歩きながら、設計の改善点について語る人々。組み立て担当者が、「この部品の精度が、水中での信頼性を決める」と説明してくれる。品質管理の担当者が、なぜこの素材を選んだのか、熱く語る。
全員が、製品を自分事として捉えていました。
なぜなら、それは「誰かの発注」ではなく、「自分たちのブランド」だから。
なぜなら、問題があれば自分たちで改善できるから。
なぜなら、多くが実際にダイバーで、この製品がどう使われるか知っているから。
この統一された情熱と責任が、製品に現れます。

統合製造が可能にする、新しい価値の方程式 ……
OrcaTorchのアプローチは、具体的に何を変えるのか?
妥協のない素材選択
エントリーモデルも、フラッグシップモデルも、全てアルミニウム製。「この価格帯ならプラスチックでいい」という妥協をしない。なぜなら、自社で製造するから、材料費の最適化ができる。

迅速な改善サイクル
ユーザーからのフィードバックが、直接設計チームに届く。製造ラインが隣にある。数ヶ月ではなく、数週間で改善が製品に反映される。

本質的価値への集中
中間流通の削減により、投資すべき場所が明確になる。より良いLED、より精密な防水設計、より長持ちするバッテリー。価格を上げずに、品質を上げる余地が生まれる。

結果として得られるのは:
プロフェッショナル品質を、理にかなった価格で。高品質と手頃さが、対立しない。
お届けするための重要なプロセスです。
OrcaTorchが提案する、新しい選択肢 ……
日本の市場では、水中撮影に特化した高機能ライトが、あらゆる用途に使われてきました。それは、他に選択肢が少なかったから。
OrcaTorchは、異なるアプローチを取ります。ダイバーの使い方は多様。だから、それぞれの目的に正直に向き合ったダイブライトのラインアップを持つ。一つの製品で全てを解決しようとしない。
スポットライト:ファンダイビングの定番 ……

集中した光の束で、遠くまで照らす。洞窟の奥、沈船の中、夜の海。「あそこに何かいる」を、確実に捉える。
D530 – 最新の操作性
直感的な操作が、水中での集中を守る。
最大1500ルーメン、8°のビーム角。6つの光源オプションから選択可能:コールドホワイト(6500K)、ニュートラルホワイト(5000K)、レッド、ブルー、UV、グリーン。各ライトは1色専用設計。チタン合金サイドスイッチを採用し、グローブをしたままでも素早く操作できる。2段階の明るさ調整に加え、緊急時のストロボ機能を搭載。バッテリーインジケーターで残量を把握できる安心感。最新の設計思想が凝縮されたモデル。
D550 – シンプルの信頼
シンプルさが、信頼性を生む。
最大1000ルーメン、8°のビーム角。マグネット式テールスイッチで確実な操作。完全密閉型のマグネット制御により、最高の防水性能と水中での操作性を実現。2段階の明るさ調整(1000/380ルーメン)に加え、ストロボ機能を搭載。付属のリストマウントで、手の甲に固定し、ハンズフリーでの使用が可能。複雑な機能はない。必要なものだけがある。
D710 – 圧倒的な明るさと利便性
日常的に使える、プロフェッショナルの性能。
最大3000ルーメン、6°のビーム角。スポットライトカテゴリーで最も明るい。USB Type-C充電は、旅先でも船上でも、どこでも素早く充電可能。5色のカラーバリエーション(ブラック、グリーン、レッド、ブルー、ピンク)は、水中でバディを識別する実用性も持つ。
ワイドライト:視界全体を、均一に照らす ……

撮影するとき、被写体だけでなく、周囲も均等に照らせると、映像の質が変わる。夜の海を泳ぐとき、視界全体が明るいと世界が変わる。
D530V – コンパクトビデオライトの多様性
小さなボディに、多彩な可能性。
最大1200ルーメンの出力、120°の超ワイドビーム。6つの光源オプションから選択可能:コールドホワイト(6500K)、ニュートラルホワイト(5000K)、レッド、ブルー、UV、グリーン。各ライトは1色専用設計。チタン合金サイドスイッチで2段階の明るさ調整。コンパクトなサイズ(142mm)ながら、アクションカムから本格的なカメラトレーまで対応する柔軟性。
D710V MK2 – アクションカムのベストパートナー
手軽に始める、本格的な水中映像。
最大2300ルーメンのホワイト(6000-6500K)、レッド、UVの3色を1台で搭載。アクションカムでの動画撮影を主眼に開発されました。ホワイトは自然な色再現、レッドは夜行性生物を驚かせないのと深場での青カブリも軽減、UVは蛍光生物の撮影に。120°の超ワイドビーム、影のない均一な光。
D910V – 本格撮影への答え
妥協しない映像品質を、実現する光。
最大5000ルーメン、Ra 92の高演色性ニュートラルホワイト(5700K)のCOB(チップオンボード)LEDを採用。。本格的な水中撮影に求められる、正確な色再現。120°超ワイドビーム。マグネット充電システムで、バッテリーを取り出さずに充電可能。D710V MK2との違いは、圧倒的な光量と色再現性の精度、そして充電の利便性。本格的な撮影機材との組み合わせで、その真価を発揮する。
可変照射角ダイブライト:一つのライトで、全てのシーンに……

「今日はスポットが欲しい」「今はワイドが必要」。ダイビング中、状況は変わる。特に、活発に動くダイバー、ダイブプロフェッショナルにとって、その場で光を調整できることは、大きなアドバンテージ。
ZD710 MK2 – 究極の適応力
変化する環境に、瞬時に対応する。
4°から72°まで、ヘッドを回すだけでビーム角を調整。遠くを照らすスポットから、視界全体を照らすフラッドまで、シームレスに変化する。最大1500ルーメンのターボモードから150ルーメンの低出力まで4段階。最大12時間の連続点灯。920メートルのビーム到達距離(陸上測定)。一つのライトが、あらゆる状況に適応する。
D900V – 探索と撮影、両方の顔を持つ
一つのダイビングで、二つの役割を。
ZD710 MK2が単一光源の調整可能ビームなのに対し、D900Vは4色の光源を搭載。120°ワイドのニュートラルホワイト(5700K)、8°スポットのクールホワイト(6500K)、レッド、UV。2つの独立したスイッチで、異なる光源を瞬時に切り替える。探索時はクールホワイトのスポットで遠くまで、撮影時はニュートラルホワイトのワイドで均一に。一つのライトが、探索と撮影、両方の要求に応える。
テクニカルダイビング:OrcaTorchのDNA ……

洞窟、沈船、深海。限界を超える場所では、ライトは装備ではなく、生命線。OrcaTorchのルーツは、ここにあります。
D630 キャニスターライト – 極限への信頼
限界で証明された哲学が、すべての製品に宿る。
最大4600ルーメン、7.2V 96.48Wリチウムバッテリー、グッドマンハンドル付属。テクニカルダイビング用に設計されたキャニスターライト。長時間連続点灯、確実な操作性、過酷な環境への対応。ロック機能付きスイッチは、誤作動を防ぐ。
OrcaTorchのキャニスターライトは、深度246mの世界記録達成時にも使用されてきました。極限の環境で証明された設計哲学 — 妥協のない品質、徹底的な耐久性、絶対的な信頼性 — は、すべてのOrcaTorch製品の基盤となっています。テクニカルダイビングで磨かれた基準が、エントリーモデルにも受け継がれている。これが、OrcaTorchの価値の源泉です。
充電の利便性:目的に応じた最適解 ……
製品の設計と同じように、充電システムにも、OrcaTorchの哲学が反映されています。
「使う人のことを、最初から考える。」
レクリエーショナルダイバーと、本格的な撮影を行うフォトグラファー。使い方が違えば、最適な充電方法も変わる。だから、OrcaTorchは、それぞれに最適な充電システムを設計しました。
USB-C直接充電:ほとんどのモデルで ……
18650と21700バッテリーを使用するモデル(D530、D550、D710、ZD710 MK2、D710V MK2など)は、USB-C直接充電に対応。

バッテリー自体にUSB-Cポートと充電回路を内蔵。ライトからバッテリーを取り出したら、そのままUSB-Cケーブルを接続するだけ。スマートフォンの充電器、モバイルバッテリー、ノートパソコン。既に持っているUSB-C機器で充電できる。
専用充電器を持ち歩く必要はない。バッテリーをポケットに入れて、カフェで、ホテルで、船上で。場所を選ばない充電の自由。
マグネット充電:D910V/D900Vの選択 ……
本格的なビデオライトは、さらに一歩進んだアプローチを取ります。
D910VとD900Vは、マグネット式充電システムを採用。ライトを開ける必要すらない。ライトにマグネット充電器を装着するだけ。

なぜこの方式か?頻繁に使う撮影現場では、充電の度にOリングを開閉することが、防水性能の劣化リスクになる。マグネット充電は、Oリングを一切触らずに充電を完了させる。
撮影のワークフローを、邪魔しない充電。
日本のダイバーへ、新しい選択肢を ……
OrcaTorchが日本で手に入るようになりました。GD Outdoor株式会社が、日本の正規販売代理店として任命されたことにより、この製品ラインが日本に導入されます。
これは単なる「新ブランドの登場」ではありません。ダイブライトの作り方、考え方、そして価値の方程式についての、新しい提案です。
GD Outdoorの代表、グラハム・デビット氏が、OrcaTorchを日本に導入することを決めた理由。それは、深センの工場を訪れた時に目にした、モノづくりへの真摯な姿勢でした。
設計から製造まで、全てを一つの場所で。全員が、自分たちの作る製品に責任を持つ。使う人の顔が見える距離で、製品は作られている。この統合された情熱が、価格と品質の新しい関係を可能にしている。
そして、こう考えます:
品質は、価格と対立しない。
統合された製造が、両立を可能にする。
機能は、複雑さではない。
目的への誠実さが、最適な設計を生む。
道具は、使う人のためにある。
作る人がそれを理解している時、本当に良い製品が生まれる。
これから ……
あなたの次のダイビングに、OrcaTorchという選択肢があります。
明るさやスペックだけでなく、どのように作られているか。誰が、どんな思いで作っているか。それを知った上で、選んでください。
筆者は、製品について正直にお話しします。あなたのダイビングスタイルに合った選択を、一緒に考えます。必要以上を勧めません。必要なものを、適切に。
海での時間は、かけがえのないものです。
その時間を支える道具も、そうあるべきです。
OrcaTorchについてのお問い合わせ
GD Outdoor 株式会社
www.gdoutdoor.co.jp
info@gdoutdoor.co.jp








